Verra、初のCORSIA適格ラベル付きカーボンクレジット発行 アフリカのクリーンコンロ由来で480万トン規模

村山 大翔

村山 大翔

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カーボンクレジットの世界的な基準策定機関であるベラ(Verra)は2026年1月30日、CORSIAへの適合を示す初の「CORSIA適格ラベル」を約478万クレジットに付与した。

ICAOが主導する規制市場を具体的に連結させた。対象となるのは、デルアグア・グループ(DelAgua Group)がアフリカのルワンダ、シエラレオネ、ガンビアで展開するクリーンコンロ普及プロジェクトから創出されたカーボンクレジットである。

今回のラベル付与により、ベラのレジストリ上で対象の4,776,194クレジットがCORSIA適格として明示された。

これらは2024年から2026年にかけて実施されるCORSIAの第1フェーズに参加する航空会社や市場関係者による購入が可能となる。対象プロジェクト(プロジェクトID:3699、3837、4000、4150)は、クリーンコンロの導入や家庭用エネルギー転換を通じて温室効果ガス(GHG)排出を削減すると同時に、地域社会に測定可能な利益をもたらすものだ。

ICAOが規定するCORSIAのルールでは、2021年以降に発行されたクレジットが適格性を得るためには、パリ協定第6条に基づく「国際的な緩和目的の承認(Article 6 Authorized)」ラベルの取得が必須条件となっている。ベラは、対象クレジットのヴィンテージ(発行年)、数量、承認条件などが明記されたホスト国政府からの承認書(LOA)を精査し、国際的な基準への適合を確認した。

ベラの最高経営責任者(CEO)であるマンディ・ランバロス氏は「これはベラのインフラが世界の気候目標を達成するために進化している実例であり、大規模な実効的行動を支えるものだ」と述べ、ボランタリー基準と国際的なコンプライアンス枠組みを整合させる意義を強調した。

デルアグア・グループの最高経営責任者(CEO)であるユアン・マクドゥーガル氏は、同社がベラからCORSIA適格ラベルを受け取った初のプロジェクト開発者になったことを歓迎した。「今回の成果は、長年の緊密な協力と厳格なモニタリング、そして環境の誠実さへの取り組みを反映したものだ」と指摘した上で、クリーンコンロ分野において信頼性の高い気候行動を拡大する重要な一歩になるとの認識を示した。

CORSIAは、国際航空会社に対し、2019年比で85%を超える排出増分をオフセットすることを義務付けており、今後、適格クレジットへの需要は急速に高まると予測される。ベラは今後数ヶ月の間に、他のプロジェクトに対しても追加のラベル付与を行う見通しを立てている。

今回のベラによるCORSIA適格ラベルの付与は、長らく「理論上の制度」として議論されてきたパリ協定第6条と実市場が、ついに実務レベルで噛み合ったことを意味する。特に、アフリカのクリーンコンロという、SDGsへの貢献度が高いプロジェクトが最初の対象となった点は象徴的だ。

日本企業にとっても、この動きは無視できない。

これまでボランタリークレジットは価格の透明性や品質への懸念から二の足を踏むケースも見られたが、ICAOという国際機関が認定し、第6条に基づく政府承認を経た「お墨付き」クレジットは、企業の脱炭素戦略において極めて高い信頼性を持つ調達手段となるだろう。

今後、J-クレジットや二国間クレジット制度(JCM)がどのようにCORSIA適格性を取得し、国際航空市場と繋がっていくのか、その動向が次の注目点となる。

参考:https://verra.org/verra-applies-first-corsia-labels-to-credits/