カーボンオフセットラベルで「信頼性」担保へ 炭素会計アドバイザー協会が管理者業務を開始

村山 大翔

村山 大翔

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一般社団法人炭素会計アドバイザー協会(CAAI)は1月26日、環境省の指針に基づき、カーボンオフセットの信頼性を客観的に評価する「カーボン・オフセット第三者認証プログラム」の管理者業務を開始した。

愛知県名古屋市に本部を置く同協会が、民間主導へ移行した国内オフセット制度の実質的な運営を担う。企業や自治体による排出削減とクレジット活用の妥当性を検証し、認証ラベルを付与することで、グリーンウォッシュの防止と透明性の高い市場形成を加速させる。

本プログラムは、環境省が策定した「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」および関連ガイドラインに完全に準拠している。審査は有識者で構成される第三者委員会が行い、基準を満たした取組には「カーボン・オフセットラベル」や、より踏み込んだ「カーボン・ニュートラルラベル」が付与される。

一般社団法人炭素会計アドバイザー協会.(2026). 「認証ラベル」.取得日:2026年1月28日, https://www.caai.or.jp/news/2026012601.html

これにより事業者は、自社の製品やイベントの環境価値を、環境省が商標登録した公式ラベルを用いてステークホルダーへ正確に発信することが可能となる。

国内の認証制度は、2017年3月まで環境省が直接運用していたが、同年4月以降は民間への移行が進められてきた。

今回のCAAIによる業務開始は、同協会が環境省から正式にプログラム事業者として承認を受けたことで実現した。カーボンオフセットの定義は、排出量を把握・削減した上で、どうしても削減できない分をJ-クレジット等の外部プロジェクトで埋め合わせる行為を指すが、近年はその透明性が世界的に問われている。

認証区分は、個別のプロジェクトを対象とする「カーボン・オフセット認証」と、組織活動全体の排出を相殺する「カーボン・ニュートラル認証/計画登録」の二段階で構成される。運営委員会は基準の制定や改廃を担い、常に最新の知見を反映させる体制を整える。事務局は、特設サイトを通じて適正な算定方法やクレジット活用の妥当性を確認し、グリーンウォッシュのリスク回避を支援する。

企業にとってのメリットは、客観的な妥当性が示されることで、投資家や消費者からの信頼獲得に直結する点にある。また、排出量の可視化プロセスを通じて業務の無駄を排除し、中長期的なコスト削減につながる効果も期待されている。

国際的にボランタリーカーボンクレジット市場の品質への疑義が呈される中、日本が「環境省ガイドライン準拠」の旗印を民間協会に託した意義は大きい。

今回の管理者業務開始により、これまで曖昧だった「民間主導のオフセット」に、国が認めた第三者認証という明確な「格付け」が定着することになる。

特に、2026年以降に厳格化が進む企業の排出量開示において、本プログラムの認証ラベルは、批判の的になりやすいグリーンウォッシュに対する有力な防衛線となるだろう。

今後は、国際的な認証基準であるICVCMなどとの整合性をどう保っていくかが、日本産クレジットの価値を高める次の焦点となる。

参考:https://www.caai.or.jp/news/2026012601.html