東京都は12月24日、世界規模の成長を目指すスタートアップを支援する「SusHi Tech Global Startups」の第1弾として28社を選出した。本事業は東京のスタートアップ戦略「Global Innovation Strategy 2.0」の中核を成す取り組みである。
選出企業には、農業由来のカーボンクレジット創出を手掛けるフェイガーや、高機能バイオ炭による炭素除去(CDR)を推進するTOWINGなど、脱炭素市場の供給側を担う有力企業が名を連ねた。
本事業の目的は、優れたテクノロジーで持続可能な社会を実現する企業を、第一線の支援者とともに集中支援することにある。東京都は選出された「SusHi Tech Global Startups」に対し、人材確保や資本戦略といった課題に応じたプログラムを順次展開する。さらに、特に高い成長が見込まれる取組には「成長加速プログラム」として、1件あたり上限2億円の資金サポートとオーダーメイド型の伴走支援を実施する方針だ。

カーボンクレジットおよびCDR分野では、複数の注目企業が選出された。
農業分野でクレジットの創出・販売を行うフェイガーや、独自技術で有用微生物を培養したバイオ炭「宙炭(そらたん)」を展開するTOWINGが、その筆頭に挙げられる。また、CO2や廃プラスチックを活用した低炭素素材を開発するTBMや、温室効果ガス(GHG)排出量の可視化と削減を支援するアスエネも支援対象となった。
東京都は、令和7年11月に改定したスタートアップ戦略において、「グローバル」と「スケールアップ」を新たな柱に据えている。
今回の選出は、日本国内に留まらず、国際的な炭素市場で競争力を発揮できる企業の育成を企図したものだ。支援プログラムは多様な民間パートナーと連携して行われ、支援内容を随時アップグレードしていく。都は今後も、専用ページを通じて有望なスタートアップを順次追加公表する予定としている。
今回の東京都による選定は、単なるスタートアップ支援の枠を超え、日本の「炭素除去(CDR)・クレジット供給能力」を国際水準に引き上げるための戦略的な一手と言える。
これまではアスエネのような「排出量の見える化(SaaS)」が先行してきたが、今回のリストにはフェイガーやTOWINGといった、実際にクレジットを「創出」するサプライヤー側が並んでいる点が重要である。
特に、1件あたり最大2億円という資金供給は、設備投資や実証試験に多額のコストを要するCDR事業者にとって強力な追い風となる。
都が「グローバル」を強調している背景には、ボランタリーカーボンクレジット市場における国際的な信頼性(ICVCM等の基準)確保という課題がある。
東京発のスタートアップが、世界で通用する高質クレジットのサプライチェーンをいかに構築できるか、次期プログラムの進捗が待たれる。
参考:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/12/2025122415


