ポッカサッポロフード&ビバレッジは1月16日、主力拠点である名古屋工場において、2026年1月より温室効果ガス(GHG)排出量の実質ゼロを実現したと発表した。
同工場はカーボンオフセット都市ガスの全量採用と、非化石証書の活用による電力の100%再生可能エネルギー化を断行。これにより、スコープ1およびスコープ2における脱炭素化を完了させ、実質的なゼロカーボン工場として運用を開始した。
同社は名古屋工場において、2003年からA重油から都市ガスへの燃料転換を進めてきた。2021年にはすべてのボイラーを効率的な貫流ボイラーへ刷新し、2023年には電力販売契約(PPA)モデルによる太陽光発電設備を導入するなど、段階的に排出削減を推進。
今回、熱源として不可欠な都市ガスの燃焼時に発生するCO2をカーボンクレジットで相殺するカーボンオフセット都市ガスへ切り替えたことで、削減が困難な直接排出分を埋めた形となる。
親会社であるサッポロホールディングスは、「サッポログループ環境ビジョン2050」を掲げ、2050年までのバリューチェーン全体でのネットゼロを目指している。同グループは、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」にも加盟しており、今回の名古屋工場における電力の100%実質再エネ化は、グループ全体の目標達成に向けた重要なマイルストーンとなる。
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、今後も独自の脱酸素製法や交流高電界殺菌システムを強みとする同工場において、製品品質の維持と環境負荷の低減を両立させる構えだ。同社は名古屋工場を脱炭素化のモデルケースとし、グループ内の他拠点への技術・スキームの波及を狙う。
今回の発表は、熱需要の脱炭素化に苦慮する食品製造業において、カーボンクレジットによるオフセットが「現実的な解」として機能していることを示している。
名古屋工場のような都市部に位置する工場では、大規模な炭素回収・貯留(CCS)設備の導入が物理的に困難なケースが多い。そのため、PPAによる再エネ調達と、ガス由来の排出をクレジットで相殺するハイブリッド戦略は、今後日本国内の中規模工場が「ネットゼロ」を早期に宣言するための標準的なテンプレートになる可能性が高い。
出典:https://www.pokkasapporo-fb.jp/company/news/release/260116_01.html


