CO2除去能力を年12万トンへ倍増 ボリビア企業Exomad Greenがバイオ炭拠点を拡張

村山 大翔

村山 大翔

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ボリビアを拠点とする炭素除去(CDR)スタートアップのエクソマッド・グリーン(Exomad Green)は2026年1月12日、同国リベラルタにあるバイオ炭製造施設の拡張工事が完了したと発表した。

同施設では熱分解ラインを従来の3基から6基へと倍増させ、二酸化炭素(CO2)の回収能力を年間6万トンから12万トンへと引き上げた。世界的に耐久性の高い炭素除去への需要が高まる中、同社はバイオ炭由来のカーボンクレジット市場における供給能力を大幅に強化する。

今回の拡張により、バイオ炭の年間生産能力も2万5,000トンから5万トンへと倍増した。エクソマッド・グリーンは2024年にリベラルタとコンセプシオンの2拠点を相次いで稼働させており、2025年を通じてこれら既存拠点の規模拡大に注力してきた。同社は、これまでに累計で30万トン近いCO2を回収しており、炭素除去の取引データを追跡するCDR.fyiのリーダーボードにおいて、耐久性CDRの最大手サプライヤーとしての地位を確立している。

同社の事業モデルは、持続可能な方法で調達された林業残渣を原料とする点に特徴がある。

放置されれば野焼きや腐敗によって大気中にCO2を放出するはずの廃棄物を、酸素を遮断した状態で加熱する「熱分解」プロセスにかけることで、炭素を安定したバイオ炭の形で固定する。この手法は、排出回避ではなく除去に分類されるため、カーボンクレジット市場において高い信頼性と価格で取引される傾向にある。

製造されたバイオ炭の100%は、現地の先住民族コミュニティや小規模農家へ無償で提供されている。劣化した土壌の品質改善や農業のレジリエンス向上に寄与しており、地域の雇用創出を含めた社会的インパクトも生み出している。同社は「環境への貢献と地域社会への利益還元を両立させながら、産業規模での炭素除去を実現する」と、今後の成長戦略に対する自信を示した。

エクソマッド・グリーンは現在、ボリビアのグアライオス地域において、世界最大級となる第3の製造拠点の建設を進めている。新施設は第一段階だけで8基の熱分解ラインを備える計画であり、全面稼働すればバイオ炭による炭素除去の世界的な供給網において中心的な役割を担うことになる。2026年以降、ボリビア発の高品質クレジットが国際市場に供給される機会はさらに増える見通しだ。

今回のエクソマッド・グリーンの拡張は、カーボンクレジット市場が「排出回避型」から、より永続性の高いCDR型へとシフトしている潮流を象徴している。特にバイオ炭は、直接空気回収(DAC)など他のCDR技術と比較してコスト競争力が高く、農業への副次的メリットも大きい。同社が短期間で世界最大規模の供給力を手にしたことは、ボリビアのような資源国が、環境価値を輸出する新たな経済モデルを構築しつつあることを示唆している。

日本企業にとっても、高品質なオフセット手段を確保する上で、南米発のバイオ炭プロジェクトは今後重要な調達先の一つとなるだろう。

参考:https://www.exomadgreen.com/post/exomad-green-doubles-capacity-at-riberalta-facility