三菱商事の100パーセント子会社である不動産運用会社、ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント(Diamond Realty Management、以下DRM)は2026年1月13日、令和7年度の企業版ふるさと納税制度を活用し、静岡県浜松市など計10自治体に対して総額1,000万円の寄附を実施したと発表した。
同社は「不動産運用市場の持続的発展」「地球環境の保全」「持続可能な社会の実現」の3領域を支援対象に掲げており、特に脱炭素社会の実現に向けたカーボンクレジットの創出や森林保護の取り組みを強化している。
「地球環境の保全」領域では、運用物件から排出される二酸化炭素(CO2)への対策として、3自治体のプロジェクトを継続的に支援する方針だ。静岡県浜松市に対しては、CO2排出権の地産地消を目指す「天竜美林カーボンクレジット創出モデル」への寄附を継続した。また、福岡県北九州市の風力発電産業拠点化プロジェクト「グリーンエネルギーポートひびき」や、宮城県の三陸海岸における植林・海洋保護活動「みやぎ沿岸の森プロジェクト」も支援対象に含まれている。
「不動産運用市場の持続的発展」の観点からは、複数の宿泊施設を運用する京都府京都市において、文化財保護や若手芸術家育成を支援することで、観光・宿泊業を通じた市場の活性化を目指している。同社は、京都固有の魅力を高めることが不動産運用市場の持続的な成長に直結すると判断し、昨年度に引き続き寄附を決定した。
今回のDRMによる寄附は、単なる社会貢献を超え、不動産アセットマネジメント業界における「炭素資産」の戦略的活用の兆しと捉えることができる。
特に浜松市の「天竜美林カーボンクレジット」への継続支援は、不動産運用に伴う排出を、投資対象地域や縁のある地域のクレジットでオフセットする「地産地消型カーボンオフセット」のモデルケースとなり得る。
今後、不動産ファンドのESG評価において、J-クレジット等の国内クレジットをいかに自律的に確保・創出に関与できるかが、競争力の源泉となっていくことが予想される。


