カーボンクレジットの「適格性」をAIで即時判定 Carbon EXが大阪ガスとAPI連携

村山 大翔

村山 大翔

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カーボンクレジット取引所を運営するCarbon EXは1月14日、大阪ガスが開発したAI品質評価サービス「グリーンチェッカー(GreenChecker)」とのAPI連携を開始した。

世界的にカーボンオフセットにおけるグリーンウォッシュへの警戒が強まる中、企業は同プラットフォーム上で各カーボンクレジットの妥当性や環境効果をスコアで確認し、透明性の高い調達が可能となる。

今回のシステム連携は、国内外で拡大するカーボンクレジット活用において、プロジェクトごとの品質差を客観的に評価したいという需要に応えるものである。

Carbon EXの取引画面には、AIが算出した品質評価スコアが直接表示され、利用企業は複数の評価基準に基づいた多角的な判断を取引段階で下せるようになる。大阪ガスの「GreenChecker」は、プロジェクトの方法論ごとに設定された独自の基準でスコアを生成しており、世界的に先行する評価モデルの一つとされる。

背景には、国際的なカーボンクレジットの品質基準を策定するICVCMなどの動きがあり、カーボンクレジットの「量」から「質」への転換が急務となっている。

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Carbon EXはこれまでも国際的な格付け機関と連携してきたが、国内発のAI評価ツールを取り込むことで、より迅速かつ精緻な審査体制を構築した。同社は今後、評価基準ごとのスコア内訳を表示する機能も追加し、判断根拠の透明性をさらに高める計画だ。

Carbon EXのプラットフォームはJ-クレジットや非化石証書に加え、海外の再エネ証書なども幅広く取り扱っている。今回のAPI連携は、企業のCO2排出量見える化クラウドサービス「アスエネ」との連携とも相乗効果を発揮し、カーボンオフセットの提案からコンサルティングまでを垂直統合する。

カーボンクレジットの調達・管理の透明化は、2026年以降の企業の非財務情報開示において、投資家や規制当局からより厳格に問われる見通しだ。Carbon EXは今後、国内外の創出事業者への支援を強化しつつ、品質担保を軸とした市場の健全化を推進する。次期アップデートでは、詳細なスコア内訳の提供が予定されており、日本発の透明な市場インフラとしての地位を固める構えだ。

今回の連携は、日本国内のボランタリーカーボンクレジット市場が「未成熟な乱売期」から「質による選別期」へ移行したことを象徴している。これまで多くの企業が、どのカーボンクレジットが「本物」であるかの判断を専門家に頼らざるを得なかったが、AIによるスコアリングが取引所に実装されることで、調達担当者のデューデリジェンス負荷が軽減されるだろう。

これは、単なる取引所の枠を超え、企業の脱炭素戦略における「実効性のあるカーボンオフセット」をワンストップで保証するインフラを日本勢が抑えにかかったことを意味する。

中小企業にとっては、複雑な国際基準を読み解かずとも、スコアを指標に高品質なカーボンクレジットにアクセスできるチャンスが広がったと言える。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000143261.html