2024年のCORSIA、航空業界のカーボンクレジット購入義務量が微減へ 一方で初の義務的カーボンオフセット実施を報告

村山 大翔

村山 大翔

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国際民間航空機関(ICAO)は、国際航空のためのカーボンオフセット・削減スキーム(CORSIA)における2024年のセクター別成長係数(SGF)を、当初の試算から0.5%下方修正した。この調整により、制度の第一フェーズ(2024年〜2026年)初年度において、航空会社各社に課されるカーボンクレジットの購入義務総量がわずかに減少することとなる。

カーボンクレジット需要への影響と修正の背景

今回の改定により、CORSIA適格カーボンクレジットへの需要は当初予測をわずかに下回ることになる。しかし、2024年の排出量に対するカーボンオフセット需要総量は依然として堅調であり、5,500万トンCO2を超えると予測されている。当初の発表値が高い需要水準を示していたことから、今回の下方修正はコンプライアンス期間全体で見れば軽微な調整であると評価されている。

修正の背景には、ICAOが11月下旬に受領した最新データの反映がある。ICAOは、2024年のCO2排出量の99%を占める138カ国からのデータに基づき、「CORSIA年間セクター別成長係数(SGF)」の改訂版を公表した。

初の実質的なカーボンオフセット義務が発生

今回確定した2024年のSGF値は「0.15948315」である。この数値は、各国の航空機運航者が負担すべき具体的なカーボンオフセット要件を算定するために使用される重要な指標だ。

特筆すべきは、パイロットフェーズ(2021年〜2023年)におけるSGFがゼロであったため、今回の2024年分が、実質的なカーボンオフセット義務を発生させる初めてのケースとなる点である。第一フェーズ(2024年〜2026年)では、排出量の基準線(ベースライン)が2019年比85%に設定されており、この基準を超過した排出分に対してカーボンクレジットによる相殺が求められる。

今回の係数確定により、航空会社は具体的な調達計画の微調整が可能となり、国際的なカーボンクレジット市場における実需の動きが本格化することが予想される。

参考:https://www.icao.int/sites/default/files/environmental-protection/CORSIA/Documents/CORSIA%20Central%20Registry/CCR%20Info%20Data%20Transparency/CCR-Info-Data-Transparency_PartIV_1ed-2025-web.pdf