マッシュスタイルラボ、南三陸で「植林オフセット」始動 紙資材のCO2排出分を森林吸収で相殺へ

村山 大翔

村山 大翔

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アパレルブランド「ジェラート ピケ」などを展開するマッシュスタイルラボは2025年12月12日、宮城県南三陸町のFSC認証林において植林プロジェクトを開始したと発表した。パートナー企業と連携してスギの苗木3,300本を植樹し、同社が使用するショッピングバッグなどの紙資材製造工程で発生する二酸化炭素(CO2)約1,093トン相当を、森林による吸収でカーボンオフセットすることを目指す。

紙資材の排出量を「森の吸収」で実質ゼロに

マッシュスタイルラボの試算によると、今回のプロジェクトで植林された3,300本のスギが吸収するCO2量は、約1,093トンに達する見込みだ。この数値は、同社が2024年の1年間でショッピングバッグや商品タグ(下げ札)などの副資材を製造する際に排出したとされるCO2総量に匹敵する。

企業活動においてCO2排出量の削減は急務だが、すべてをゼロにすることは難しい。そこで同社は、削減しきれない排出分を、森林によるCO2吸収によって埋め合わせるカーボンオフセットの手法を採用した。これまで進めてきた環境配慮型素材への切り替えに加え、自然の力で炭素を固定する具体的なアクションに踏み出した形だ。

「イヌワシの森」を守る生物多様性への配慮

本プロジェクトのもう一つの柱は、単なるCO2削減にとどまらず、生物多様性の回復(ネイチャーポジティブ)を重視している点にある。

植林活動は、2025年10月末に宮城県南三陸町で実施された。提携先である佐久が管理するこの森林は、2015年に宮城県で初めて、国際的な森林管理基準であるFSC®森林認証(FM認証)を取得している。絶滅危惧種であるイヌワシの生息候補地にも挙げられる豊かな森であり、適切な植林と管理を行うことで、地域の生態系保全に直接貢献する。

同プロジェクトは、南三陸町特有の「森・海・里の連環」に着目しており、山を豊かにすることで、そこから流れる水が海や里の環境、さらには人々の暮らしを潤すという循環を目指している。

レジ袋有料化の収益を環境投資へ

持続的な活動資金を確保するため、同社は顧客を巻き込んだ資金循環モデルを導入する。展開する全ファッションブランドにおいて、12月26日からショッピングバッグの有料化を開始し、その代金の一部を環境活動プロジェクト「MASH GO GREEN PROJECT」および本植林活動の原資とする方針だ。

マッシュスタイルラボは「森林づくりとともにカーボン・ニュートラルの実現を目指す」としており、消費者が買い物袋を購入することが、間接的に森林再生と脱炭素への貢献につながる仕組みを構築した。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003809.000018505.html