「Kyash Card」がカーボンオフセット導入、「カーボンクレジット市場への企業関与」が加速

村山 大翔

村山 大翔

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Kyashは、2025年12月10日より提供を開始する「Kyash Card」の新デザインにおいて、カード製造・発行に伴うCO2排出量をカーボンオフセットする取り組みを導入すると発表した。

カード製造の排出量を「印刷会社経由でオフセット」

新リニューアルの主要なポイントの一つは、「環境配慮型のカーボンオフセット付きカードの導入」にある。Kyashは、カード本体にプラスチック使用量を削減したPET混抄紙材を採用。さらに、カードの製造・発行プロセスで発生するCO2排出量を、印刷会社を通じて環境保全の取り組みによりカーボンオフセットすると公表した。これにより、同社は製品ライフサイクルにおける環境負荷の低減に貢献するとしている。

このスキームは、自社製品の製造段階で発生する温室効果ガス(GHG)排出量を算定し、その排出量に見合う量のカーボンクレジットを購入して相殺するというものだ。クレジットは、森林保護や再生可能エネルギー事業など、排出量削減または吸収に貢献するプロジェクトによって創出される。

カード業界では、環境意識の高まりを受け、カード素材のプラスチック削減やリサイクル素材への切り替えが進んでいる。Kyashがクレジットを利用して排出量自体を相殺するアプローチは、「金融サービス」を提供する企業が、サプライチェーン上の具体的な排出責任をクレジットでカバーするモデルとして、他社の環境戦略に影響を与える可能性がある。

参考:https://www.kyash.co/press-release/20251203