「森林の里親」協定を締結、「流山市」が森林環境譲与税を活用し、長野県信濃町とのカーボンオフセットを推進

村山 大翔

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長野県信濃町の森林整備費用を千葉県流山市が負担し、整備された森林によるCO2吸収量をオフセットとして活用する協定が締結された。

千葉県流山市と、姉妹都市である長野県信濃町は、2025年10月25日、流山市内のホテルルミエールグランデ流山おおたかの森で「森林(もり)の里親 協定書」の締結式を実施した。この協定は、信濃町内の森林整備を流山市が間接的に支援し、その結果得られる二酸化炭素(CO2)吸収量を、流山市が排出するCO2とカーボンオフセットすることを主要な目的とするものだ。

具体的には、流山市が「森林環境譲与税」を活用し、信濃町が整備を担う「町民の森」(面積約54ha)にかかる費用の一部を負担する。整備後の森林から得られるCO2吸収量は、長野県が定める「森林CO2吸収評価認定制度」に基づいて評価・認定手続きが行われ、その吸収量が流山市のカーボンオフセットに充てられる仕組みである。

協定書への調印は、流山市の井崎義治市長と、信濃町の鈴木文雄町長が行った。また、立会人として長野地域振興局の栩秋隆哉林務課長が臨席した。

流山市は、この取り組みを通じて、森林の持つCO2吸収源としての機能の重要性を認識し、地方自治体間の連携による国内クレジット(J-クレジットなど)的な枠組みを構築した。これは、都市部の自治体が森林環境譲与税を、地方の森林保全活動という二酸化炭素除去(CDR)活動に投資し、その恩恵を排出量削減、カーボンオフセットという形で享受する、垂直連携型のカーボンクレジットモデルの実践例といえる。

参考:https://www.city.nagareyama.chiba.jp/1000009/1051788.html