新潟大学・カントー大学と共同実証 「水稲由来カーボンクレジット」創出へ Jizokuが肥料削減と排出抑制を検証

村山 大翔

村山 大翔

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一次産業におけるカーボンクレジット創出支援を手掛けるJizokuは11月5日、国立大学法人新潟大学およびベトナム・カントー大学と共同で、水稲栽培における化学肥料施用量の削減を通じた温室効果ガス(GHG)排出抑制の実証実験を開始したと発表した。施肥削減が収量・品質に与える影響を科学的に評価し、その成果をカーボンクレジットとして国際市場で活用する社会実装を目指す。

農業分野は、二酸化炭素換算メタン(CH4)や亜酸化窒素(N2O)を主とするGHG排出の主要要因とされている。特に水稲栽培では、湛水条件下でのメタン発生や肥料由来のN2O排出が課題となっている。Jizokuは今回の共同研究を通じて、「生産性を維持しながら排出削減を実現する」新たな施肥手法の確立を狙う。

実証は2025年8月から、ベトナム・メコンデルタ地域の水田圃場で開始された。主な検証テーマは、「化学肥料施用量の変更によるGHG排出削減効果の定量化」「収量・品質への影響を最小限に抑える施肥削減技術の確立」の2点である。新潟大学は稲作科学と栄養管理の知見を、カントー大学は現地農業データの提供と試験圃場運営を担う。

Jizokuはこれまで、農業分野の脱炭素化を支援するカーボンクレジット創出事業を展開してきた。同社は「大学との共同研究を通じ、科学的根拠に基づく排出削減と農家収益の両立を図る」とコメントしている。

今後は、実証データをもとに農業現場での施肥管理モデルを確立し、農家の自主的な排出削減を経済的に支援する仕組みとしてカーボンクレジット化を進める方針だ。成果が国際基準に基づくクレジットとして承認されれば、日本・ベトナム両国における農業由来の脱炭素ビジネス拡大につながる可能性がある。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000147505.html