マイクロソフトが、米国ミネアポリスに拠点を置くバイオ炭企業Carbaとの間で、5年間にわたり44,000トンのCDRクレジットを供給する契約を締結したことが明らかになりました。最初のクレジットは、2025年内にリタイアメント(クレジット消却)が開始される予定です。
1,000年以上の耐久性を持つCarba独自技術とは?
Carbaは、独自に開発したオートサーマルプロセスとアノキシック埋設法を組み合わせることで、バイオマス由来の二酸化炭素を高炭素含有バイオ炭に変換し、長期安定的に地中封じ込める技術を確立。
この技術は、Isometricによる厳格な検証を受け、1,000年以上の炭素耐久性が認定されています。
Carbaのバイオチャーは、地元の埋立地でオルタネートデイリーカバー(代替表土材)として使用され、二酸化炭素を安全に閉じ込めるだけでなく、悪臭軽減や有害物質の吸着・浄化といった環境共益効果も期待されています。
マイクロソフトが描くカーボンリムーバル戦略
マイクロソフトのエネルギー&カーボンリムーバル部門ディレクター、ブライアン・マーズ氏は「Carbaのバイオ炭埋設技術は、バイオマス供給、熱分解、最終利用・貯蔵を一体化することで、スケール拡大可能でコスト効率に優れた気候ソリューションとなる可能性を秘めています。」と述べています。
マイクロソフトはこれまでも多様な炭素除去プロジェクトに投資してきましたが、今回の契約はバイオ炭技術の本格的な活用拡大を示すものとなります。
Carbaとは?イノベーションを加速する新興企業
Carbaは、アンドリュー・ジョーンズ博士とポール・ドゥーハウアー教授により設立された企業で、バイオマス熱分解と炭素固定技術において累計40年以上の経験を持つ専門家チームによって支えられています。
同社は、GigaClimate Builderからの支援や、米国エネルギー省(DOE)から700万ドルの助成金を受けるなど、急速に存在感を高めています。
CEOアンドリュー・ジョーンズ博士は「Carbaは、バイオマス調達・加工・安全貯蔵を統合したフルスタック型炭素除去企業として、急速な拡張と地域社会への共益提供を目指します。」とコメントしています。

