年間50万トンのSAF生産体制が整備完了、欧州航空業界の脱炭素に追い風
2025年4月18日、世界最大の持続可能航空燃料(SAF)メーカーであるNeste(ネステ)は、オランダ・ロッテルダムの再生可能製品製油所にてSAFの本格生産を開始したと発表した。これにより、同拠点での年間SAF生産能力は50万トンとなり、ネステ全体のグローバルSAF生産量は年間150万トン(18.75億リットル相当)に到達した。
SAF拡大の中核拠点に、2027年にかけて世界最大規模へ
今回の稼働は、現在進行中のロッテルダム拡張計画の一環でもある。完成すれば、同施設の再生可能製品総生産能力は年間270万トンに倍増し、再生ディーゼルおよびSAFの製造では世界最大級のプラントとなる見込みだ。拡張プロジェクトの完了は2027年を予定している。
最終的には、ネステ全体の再生燃料年間生産能力が680万トンに拡大され、そのうち220万トンがSAFとして供給される計画だ。
SAF供給網は欧州・アジア・北欧に拡大
ネステはロッテルダムの他にも、シンガポールおよびフィンランド・ポルヴォーでもSAFを生産しており、グローバル航空業界の脱炭素化を支援するサプライチェーンを構築している。
また、2024年にはロサンゼルス国際空港へのSAF納入も実現しており、アジア・欧州・北米の主要空港への供給体制強化にも取り組んでいる。
ネステCEO「ReFuelEUの実行を支える生産基盤に」
ネステの社長兼CEOであるHeikki Malinen氏は、「SAFの利用拡大には、航空業界全体の連携と政策支援が不可欠です。ネステは、業界の仲間と協力しながら、エネルギー転換と排出削減を加速していきます。」とコメントしている。