年間1,000万トンのCO2貯留目指す国際共同事業、2030年の初注入に向け前進
2025年4月18日、INPEXは、オーストラリア北部沖合のボナパルトCCSプロジェクトにおいて、Pre-FEED(フロントエンド設計前段階)を開始した。2030年頃のCO2初注入開始を視野に、同社を中心とした国際共同事業が本格化している。
年間1,000万トン規模、アジア太平洋圏の脱炭素インフラに
本プロジェクトは、INPEX(出資比率53%)を筆頭に、TotalEnergies(26%)、Woodside Energy(21%)が参画する共同事業体により推進。年間1,000万トン超のCO2を恒久的に地中へ圧入・封じ込める計画だ。
既に1,800平方キロメートルの3D地震探査と2坑の試掘井を含む評価プログラムを完了し、高品質な塩水帯水層および厚いシーリング層の存在が確認された。これは長期安定的なCO2貯留に理想的な地質構造とされる。
GHG貯留認定へ向け、豪州政府との申請プロセスも進行中
現在、パートナー各社はこの評価データを用いて、オーストラリア政府への「GHG貯留層認定申請(Declaration of Identified Storage Formation)」に向けた準備を進めており、これはCCS用注入ライセンス取得に不可欠なプロセスと位置づけられる。
「Ichthys LNG」からのCO2を沖合260kmへ圧入
本プロジェクトの基幹インフラには、INPEXが主導する「Ichthys LNGプロジェクト(ダーウィン)」が据えられており、同施設で回収されたCO2を約260km沖合のボナパルト盆地に圧入する予定。
さらに将来的には、INPEXが構想する「ダーウィンCCSハブ」がアジア太平洋地域の排出源を統合する中継拠点としての機能を果たす可能性も示唆されている。このハブには海外からのCO2輸入・圧送のための受入インフラも含まれる計画だ。
参照:https://www.inpex.com.au/news-and-updates/media-centre/media-releases/bonaparte-ccs-joint-venture-achieves-robust-appraisal-results-and-progresses-into-pre-feed-to-support-a-large-scale-carbon-capture-and-storage-ccs-project/