米Gevo社、カーボンクレジット販売契約で株価上昇 SAF生産施設の資金調達を後押し

村山 大翔

村山 大翔

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バイオ燃料メーカーのジェボ(Gevo)は、フィンテック企業フューチャー・エナジー・グローバル(FEG)との間でカーボンクレジットの販売契約を締結したことを受け、4月9日の株式市場で株価が6.9%上昇した。契約は、南ダコタ州レイク・プレストンに建設予定のSAF生産施設「ATJ-60」の開発を支える重要な資金調達手段となる。

この複数年契約に基づき、FEGはジェボのATJ方式による年間1,000万ガロンのSAF生産に関連する排出分のカーボンクレジットを購入する。購入対象は、ジェボが独自設計した「ATJ-60」プラントで生成される燃料であり、契約には将来的な買い取り量の拡大オプションも含まれている。

FEGはアイルランド・ダブリンに拠点を置き、顧客には排出削減に取り組む航空会社などが含まれる。CEOのナターシャ・マン氏は、「ジェボの技術はすでに市場に適応しており、今後の生産効率向上にも寄与する可能性がある」と期待を示した。

ジェボは、バイデン政権下で米国エネルギー省(DOE)のローンプログラム局から16億3,000万ドルの融資内諾を確保しており、今回の契約により投資実行への道筋が明確となった。ATJ-60施設は年6,000万ガロンのSAF生産を見込んでいる。

航空業界にとってSAFは脱炭素の鍵とされているが、現在の世界全体の航空燃料消費量のうちSAFの割合はわずか0.3%にとどまる。こうした中で、今回の契約は商業規模でのSAF拡大に向けた前進と評価されている。

参照:https://investors.gevo.com/news-releases/news-release-details/gevo-and-future-energy-global-sign-saf-scope-1-and-scope-3