ノーザンライツCCS事業、第2フェーズに突入 エクイノール、シェル、トータルエナジーズの3社が約750億円を投資

村山 大翔

村山 大翔

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本プロジェクトは、既存のインフラを活用しながら、CO2の年間貯留能力を現在の150万トンから最大500万トンへと引き上げる。第2フェーズでは、新たな陸上貯留タンク、船舶用桟橋、追加の注入井戸の建設が含まれ、2028年後半の稼働開始が予定されている。エクイノールは第1フェーズに続き、技術サービス提供者(TSP)として開発・建設・運営を担う。

ノーザンライツは、ノルウェー政府が推進する包括的なCCS事業「ロングシップ計画」の中核として設計され、欧州委員会の「Connecting Europe Facility(CEF)」から1億3,100万ユーロの資金支援を受けている。これにより、欧州全体のカーボンバリューチェーンの構築が加速すると期待されている。

第1フェーズはすでに稼働間近で、今夏にはノルウェー・ブレヴィークのセメント工場から回収されたCO2が西海岸オイガーデンの受け入れターミナルに到着予定。さらに、オスロの廃棄物発電施設からもCO2が搬送され、北海の海底下2,600メートルにある貯留層に永久保存される。

エクイノールのCEOアンダース・オペダル氏は、「民間と公的支援の連携が、CCSの商用化を後押ししている」と述べた。さらに、同社はノルウェー大陸棚および欧米で複数のCCS事業を展開しており、世界有数のCCS開発企業としての地位を確立しつつある。

今回のフェーズ2は、欧州の「脱炭素が難しい産業部門」に対応する解決策として、CO2排出削減と経済性を両立する持続可能なインフラモデルとなることが期待されている。

引用:https://www.equinor.com/news/20250327-northern-lights-phase-2