ブラジル国営石油会社ペトロブラスとブラジル開発銀行(BNDES)は4月1日、アマゾンの森林再生によって最大1,500万トンのCO2を削減するカーボンクレジット事業「ProFloresta+」を共同で開始すると発表した。5万ヘクタールの劣化地を再生し、450万トン分のカーボンクレジット購入を含む第一段階において、4億5,000万レアル超の投資と4,500人の雇用創出が見込まれている。
この取り組みは、森林再生由来のカーボンクレジットを公的金融機関が支援するブラジル初の大規模プロジェクトであり、価格の透明性、技術基準、公開契約モデルを備えた画期的な枠組みとなる。
ProFloresta+では、在来種を用いた生態系回復を進めるとともに、長期のオフテイク契約によってカーボンクレジットを継続的に購入。BNDESは気候ファンドなどの特別融資枠を通じて、再生事業者への資金供給を行う。
ペトロブラスのマグダ・シャンブリアードCEOは、「本事業は、当社の気候コミットメントの達成と、ブラジルの森林再生産業の発展を両立するものだ」と述べた。
また、BNDESのアロイジオ・メルカダンテ総裁は、「このプロジェクトは、アマゾン再生と企業の脱炭素戦略を両立させる画期的な取り組みであり、森林保全を経済的に持続可能な事業へと変える」と強調している。
本事業の設計には、自然資本投資ラボ(NIL)と気候・社会研究所(ICS)が参画。技術的・社会環境的な基準の厳格な策定を支援した。ペトロブラスのエネルギー移行担当取締役マウリシオ・トルマスキン氏は、「高品質なカーボンクレジットのための標準契約モデルを構築し、市場の信頼性向上を目指す」と説明する。
また、BNDESのテレーザ・カンペッロ環境社会担当取締役は、森林破壊の最前線とされる「破壊の弧」を「再生の弧」へと転換するための中核施策だと述べ、緊急の取り組みの必要性を訴えた。
ProFloresta+は、ブラジル国内の再生事業とカーボンクレジット市場の拡大に向けた重要な第一歩となる。