Microsoft、デンマークで「約300万トンのカーボンクレジット購入」 廃棄物発電CCS由来

村山 大翔

村山 大翔

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マイクロソフト(Microsoft)は7月9日、デンマークのガイア(Gaia)から約295万トンの炭素除去(CDR)由来のカーボンクレジットを購入する契約を結んだ。ガイアはコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)と廃棄物処理大手ヴェストフォブレンディングの合弁事業で、廃棄物発電所への炭素回収・貯留(CCS)設備を使って創出されたカーボンクレジットを供給する。

このプロジェクトはデンマーク最大の廃棄物発電施設(コペンハーゲン・ノードハウン)で進められており、年間約100万トンの廃棄物を処理し、その39%を焼却している。ガイアは必要な資金と許認可を得られれば2026年に稼働を開始し、年間最大50万トンのCO2を回収して地下に永久貯留する計画だ。ヴェストフォブレンディングのカーボンニュートラル目標分を除いたCO2は、カーボンクレジットとして販売される。

マイクロソフトは今回の契約で2029年からカーボンクレジットの供給を受ける予定で、同社は既にノルウェーのハフスルンド・セルシオから110万トン、米CO280から368.5万トンの購入契約を締結しており、カーボンクレジット市場で最大級の買い手となっている。

CIPのエネルギー移行ファンド(CI ETF I)のマネージングディレクター、ニコス・サマリティス氏は「今回の契約は廃棄物発電所のCCSによるカーボンクレジットでの商業化を示すものであり、マイクロソフトとの長期的な関係構築の第一歩になる」と述べた。

ガイアは今年、デンマークエネルギー庁のCCS基金の対象事業にプレ資格認定されており、2025年末に補助金採択結果が発表される予定だ。また、CCS導入により地域暖房の供給能力を拡大し、追加で1万戸以上へ供給可能となる見込みだ。デンマーク政府は今年後半の入札申請期限に向け、CCS推進策を強化している。

参考:https://www.linkedin.com/posts/copenhagen-infrastructure-partners-k-s_copenhagen-infrastructure-partners-through-activity-7348244145225793537-_VFj