TotalEnergies、カーボンクレジット購入が四半期ベースで過去最高を更新 VCM活用で脱炭素経営を加速

村山 大翔

村山 大翔

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仏エネルギー大手TotalEnergiesは4月30日、2025年第1四半期にVCMを通じて調達したカーボンクレジットが、同社の四半期ベースで過去最高を記録したと発表した。炭素市場の信頼回復と脱炭素戦略の一環として、高品質なクレジット調達に注力している。

TotalEnergiesは、同社の「Sustainability & Climate – 2025 Progress Report」の中で、2025年1〜3月期のVCMを通じたカーボンクレジット購入が記録的水準に達したことを明らかにした。同社はこれまでもNbSやCCUS関連プロジェクトへの支援を表明しており、今回の調達はそれらの具体的展開と位置づけられる​。

クレジット購入の詳細は開示されていないが、TotalEnergiesは持続可能な事業構造への転換を明確に打ち出しており、2025年通期で170〜175億ドルの設備投資のうち、45億ドルを低炭素エネルギーに振り向ける計画である。その中には、統合型再エネ電力事業、グリーン水素、バイオメタン、CCSなど多様な技術が含まれる​。

また、第1四半期には、Scope1+2排出量を前年同期比で13%削減。これは主に探鉱・生産部門でのフレア削減や、製油所部門での脱炭素対策が寄与したもので、炭素市場に依存しない削減努力との両輪である​。

今後、企業のクレジット調達には「信頼性」「追加性」「透明性」が一層求められる。TotalEnergiesのように、明確な気候財務戦略の下でVCMを活用する姿勢は、日本企業にとっても脱炭素経営の参考となるだろう。

参照:https://totalenergies.com/news/press-releases/first-quarter-2025-results