Carbon Centric、ノルウェーでBECCS新計画 Enovaから3度目の助成金獲得

村山 大翔

村山 大翔

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ノルウェーのCCS開発企業Carbon Centricは5月1日、国営クリーンテック支援機関Enova SFから3度目となる前段階支援助成金を獲得したと発表した。本助成金は、キルケノールにある廃棄物発電施設でのBECCS実現可能性調査に活用される。

今回対象となるのは、Solør Bioenergiが運営する廃棄物発電所でのBECCS導入プロジェクトである。年間3万トンのバイオマス由来CO2を回収し、地下に恒久的に貯留することで、自然の炭素循環から除去し「真のネガティブエミッション」を実現することを目指す。

Carbon Centricは同国内で複数の同様プロジェクトを進めており、合計で年間17万トンのCO2回収を2025年までに達成する計画を掲げている。特に、焼却処理や廃棄物処理など従来のカーボンカウントから漏れがちな排出源に着目しており、GHG排出の見える化を進める意義が大きい。

本プロジェクトで得られるCDRクレジットは、国際的なボランタリーカーボン市場でも高品質な除去系クレジットとして評価される可能性がある。欧州では2025年に向けてCDR認証スキームの整備が進んでおり、技術的実装とクレジット化の両立を目指す本事例は注目されている。

Enovaの継続的な支援は、BECCSがノルウェーの脱炭素戦略における中核技術として制度的な信頼を得つつあることを示している。今後、キルケノールの事例が他国のバイオマス・廃棄物施設のモデルケースとして展開される可能性もある。

参照:https://www.linkedin.com/posts/carboncentric_activity-7323403930149797890-o1Pi