カーボンマネジメント企業のDevvStreamは、UAEのFayafi Investment Holdingと、脱炭素および気候インフラ分野への投資を加速するグローバル共同事業「Fayafi x DevvStream Green Ventures」の立ち上げに向けた覚書を締結した。初期資金は1億ドル、2025年下半期のプロジェクト始動を見据えており、環境アセット市場の成長とグリーンファイナンスの融合を象徴する動きとなっている。
この新事業体は、DevvStreamの環境アセット開発・運用ノウハウと、Fayafiの資金力とグローバルな投資ネットワークを掛け合わせ、気候変動対策分野でのインパクト創出を加速させることを目的としている。
Fayafiは本ベンチャーにおいて80%の出資比率を持つ主幹投資家となり、政策調整・規制承認・市場アクセスといった実行支援を担う。一方、DevvStreamは運営責任者として、プロジェクトの選定・アセット登録・モニタリング・クレジット創出・収益化の全工程を統括。「キャピタルライト型モデル」により、同社は自社の資産効率を保ちながら継続的な収益確保を目指す。
同構想は、脱炭素インフラや再エネ導入、EV充電網整備などの分野におけるスケーラブルなプロジェクトを主対象としており、まずはアジア・中東・アフリカ等の新興市場での展開を視野に入れている。
DevvStreamは、自然・技術由来オフセット、I-REC、カーボンセクエストレーション(CO2貯留)など、複数のクレジットタイプに関わるポートフォリオを運用しており、既にプロジェクト開発や投資を通じた「環境アセットの垂直統合型ソリューション企業」への進化を志向している。
Fayafi側のESG投資責任者ボビー・キャンベル氏は、「本覚書は気候ファイナンスの未来への重要な一歩だ」と述べ、今後も対話を継続する意向を示した。DevvStreamのカール・スタントン会長も、「この構想は市場変化に対応するための最適な形であり、スピーディかつ責任ある成長を目指す」と語っている。