クレジット価格分析からCBAM対応まで、規制対応と戦略的活用をサポート
金属・林産物・農業分野に特化した市場情報会社Fastmarketsは2025年5月、新たなカーボンインテリジェンスサービスを発表した。EU CBAMをはじめとした気候関連規制が強化される中、企業が脱炭素と競争力の両立を図るための戦略ツールとして注目される。
新サービスは、カーボンクレジットマーケットや規制動向の分析、将来予測を提供し、企業の意思決定を支援する内容となっている。Fastmarketsのラジュ・ダスワニCEOは「脱炭素はもはや未来の目標ではなく、現在の経営課題だ」と強調し、同サービスを「変化の中で企業がリードするための戦略的ツール」と位置づけている。
提供される主な機能は以下の通りだ。
- Carbon Credits & Removals
CORSIA第1フェーズや自然由来のARR、IFM、REDD+を含む11種のプロジェクトタイプに対応し、2030年・2050年までの価格予測や市場ニュース、過去価格データを提供。特に林業や農業など、カーボンクレジット活用による新たな収益機会を模索する産業に有用。 - CBAM Insights(早期アクセス版)
CBAMのコスト影響やサプライチェーンリスクを事前に把握できる分析を提供。2025年8月には、グリーンコモディティ全般やコンプライアンス戦略を網羅した完全版の提供を予定。
さらに同サービスは、API統合、カスタムダッシュボード、週次レポート配信などの機能を備え、企業ごとの脱炭素戦略やリスク管理の高度化を支援する。Fastmarketsのチーフエコノミスト、スチュアート・エバンス氏は「市場のノイズを排除し、明確かつ実行可能なインサイトを届ける」と語っている。
新プラットフォームは2025年5月12日より提供開始。規制強化と経済合理性の両立が求められる中、同サービスは脱炭素の「経営実装」を加速させるツールとして期待される。