CO2 LockとEmitIQ、年間30万トンCO2のカーボンクレジット供給で提携

村山 大翔

村山 大翔

「CO2 LockとEmitIQ、年間30万トンCO2のカーボンクレジット供給で提携」のアイキャッチ画像

カナダ・ブリティッシュコロンビア州のCO2 Lockは21日、同州プリンスジョージ近郊のCDR拠点から発行される年間30万tCO2のカーボンクレジットの最大33%をEmitIQが購入する、同社と基本合意書(LOI)を締結したと発表した。高品質なCO2削減のカーボンクレジットの供給体制を強化し、信頼性あるカーボンクレジット市場の構築を目指す。

CO2 Locは、同提携によりCO2の供給から収益化までのバリューチェーンを確立し、事業リスクの低減を図ると説明している。

EmitIQは、AIを導入したのカーボンクレジット取引所などを提供しており、今回の合意により、高信頼なCDRクレジットの国際的な供給網を強化する。EmitIQのプレジデント、ケリー・シャーマン氏は「CO2 Lockの技術は、永久貯留分野で最も検証可能かつ有望なアプローチの一つ」と高く評価している。

CO2 Lockの代表スコット・ラーソン氏は「EmitIQとの関係構築により、信頼性と拡張性を備えたカーボンクレジットの収益化経路を確立できた」と述べた。

本提携の対象となる「SAMプロジェクト」は、ブリティッシュコロンビア州プリンスジョージから南西に50キロの地点に位置し、ブルーサイト(含水マグネシウム鉱物)を活用した地中鉱物化によりCO2を恒久的に固定化する。20年間で年間100万トンの貯留能力を目指し、既存インフラや地域資源を活用しつつ、地域パートナーや先住民コミュニティと連携した社会的インパクトの創出も狙う。

本提携は、技術に基づいた信頼性の高いカーボンクレジットの供給と、世界的なCDR市場の成熟に向けた新たなモデルケースとなる見込みだ。

参考:https://www.co2lockcorp.com/post/co2-lock-and-emitiq-team-to-unlock-carbon-market-potential-of-300-000-carbon-credits-annually