米ミズーリ州のVerde ResourcesとオーストラリアのC-Twelveは、2025年5月20日、アメリカ国内における低炭素アスファルト技術の商用化を目的とした10年間の独占提携を発表した。両社は2024年10月に合意した共同目標の達成を受け、技術性能と経済性の実証試験を経て正式に連携を決定した。
この技術は、標準的なホットミックスアスファルトに比べて化石燃料の使用を最大95%削減できる点が特徴で、2024年12月と2025年4月にアラバマ州オーバーンのNCAT試験走路で行われた実証実験でその効果が確認された。温室効果ガスの排出を大幅に削減するだけでなく、カーボンクレジットの創出による収益化も可能であり、インフラ予算の効率的な活用が期待されている。
提携の枠組みでは、アメリカ国内で開発・試験・運用される全てのソリューションに対して、VerdeとC-Twelveが共同所有権を持つ。政府にとっては、既存予算でより多くの社会課題に対応できる柔軟性をもたらし、企業にとってはサステナビリティ戦略の一環としてカーボンクレジットを活用できる利点がある。
さらに、Verdeは2025年4月、世界初となるアスファルト由来のバイオ炭ベースのカーボンクレジットを創出し、Puro.earthによって認証された。このクレジットはすでに世界的大手金融機関により前払い購入されており、技術の商業的信頼性を裏付けている。
Verde社CEOジャック・ウォン氏は「この技術とビジョンは、未来の道路を環境にも経済にも優しい形で再定義する鍵となる」と述べた。C-TwelveのCEOジェイソン・リー氏も、「我々のR&Dの成果が、Verdeとの協業によって実を結ぶ段階に入った」とコメントしている。
今回の提携は、「グリーン化=高コスト」という既成概念を覆し、サステナブルなインフラ整備と経済合理性の両立を示す事例となる。