電動バイクを展開するガーナのスタートアップ Wahu Mobilityは、スイスとカーボンクレジットに関する国際的な契約を締結した。これは、パリ協定第6条に基づくeモビリティ分野での世界2件目の取引となる。
Wahu Mobilityは、今後5年間で11万7,000台の電動バイクをガーナ国内に展開する。この取り組みにより、2030年までに約75万トンのCO2排出を削減し、スイスに向けて「国際的に移転される削減成果(ITMOs)」として販売する計画だ。
契約の承認には、ガーナおよびスイス両国の政府による2年にわたる審査と検証が必要だった。
Wahu Mobilityの取り組みは、ガーナの配送ライダーや通勤者に対して、化石燃料バイクの代替となる低排出な電動バイクを提供する。これにより、環境負荷の軽減だけでなく、12万件のグリーンジョブ創出も見込まれている。
特に注目すべきは、全体の15%を女性ライダーが占めるという目標で、男女問わずサステナブルな交通手段へのアクセスが推進される点だ。
スイスは、1990年比で2035年までにGHG(温室効果ガス)を65%削減する目標を掲げており、その達成に向けてカーボンクレジットの購入を積極化している。スイスのKliK財団は、ガーナ国内で約1,730億円(11億米ドル)規模の気候変動プロジェクトを支援している。
一方ガーナでは、環境保護庁のもとで国家カーボン登録制度と承認委員会が設立されており、既にWahu Mobilityを含む4件のプロジェクトが承認済みである。国としては、2,400万トン分のCO2クレジット販売を目指しており、今回の契約はその目標に大きく貢献する。