Cercarbonoは2025年5月23日、「使用済み車両」からの素材回収・リサイクルに関する新手法 CM-WM-ELV-01 のパブリックコメント募集を開始した。専門家によるレビューを経て、温室効果ガス(GHG)削減量の厳密な算定とカーボンクレジット制度の信頼性向上を目的としている。
本手法は、使用済み車両(End-of-Life Vehicles:ELVs)からの金属、プラスチック、ガラスの回収・リサイクルに限定してGHG排出削減量を算定するもので、非公式部門ではなく正式な登録施設(Registered Vehicle Scrapping Facility:RVSF)での処理を対象とする。
背景には、自動車生産台数と使用済み車両数の世界的な増加があり、廃車からの素材再資源化による温室効果ガスの削減ニーズが高まっている。
排出削減量は、バージン素材の製造によるGHG排出量(ベースライン)と、回収素材のリサイクルによる排出量(プロジェクト)との差として計算される。
対象素材には、アルミニウム、鉄鋼、銅、金、銀、パラジウム、スズ、鉛などの金属、ABSやPETなどのプラスチック、ガラスが含まれる。
排出削減プロジェクトは、Cercarbonoの「追加性判定ツール」を用いて、既存の活動との違いを明確に示す必要がある。
また、処理量、使用エネルギー、素材品質、市場価格、ELVの輸入動向などを詳細にモニタリングし、二重計上やグリーンウォッシュを防ぐ仕組みが設けられている。
プロジェクトは、法規制、労働安全衛生、環境保全などの要件を遵守し、Cercarbonoの「セーフガード原則」に基づくSDGsへの貢献報告も求められる。
パブリックコメントの募集期間は、2025年5月23日から6月22日まで。意見提出は、Cercarbonoの公式ウェブサイトから方法論をダウンロードし、フィードバックフォームに記入することで行える。