Norne Carbon Storage Hub(Fidelis New Energy傘下)は6月4日、デンマーク・オールボー港と30年間の独占契約を締結し、大規模CO2取扱ターミナルを共同開発すると発表した。プロジェクトはEUのConnecting Europe Facility(CEF)の助成金を受け、初期年間処理能力1,500万トンの設備建設に着手する。
本施設は、デンマーク国内および周辺地域から回収されたCO2の受入拠点として機能し、貯留または産業利用に供される。建設予定地には全長500メートルの岸壁と約6万平方メートルのインフラが整備される予定だ。
本計画は、2023年に欧州委員会から「共通利益プロジェクト(PCI)」に指定された。これにより、環境影響評価などの手続きが迅速化され、環境・生態学的な評価もすでに完了している。
CEFからの資金は岸壁および関連施設の建設に充てられ、将来的には欧州の排出源にとってアクセス性が高く、コスト効率のよいCO2貯留・再利用ハブとなる見込みだ。
オールボー港CEOのクリスチャン・トゥーレセン・ダール氏は「CO2ハブとしての機能強化は新産業の誘致にもつながる」と述べ、経済成長への波及効果に期待を寄せた。
Norneのラース・ボー・クリスチャンセン社長は「既存の年間1,500万トンの能力を超えた拡張と、新たな脱炭素化プロジェクトの誘致を目指す」と強調した。
この取り組みは、デンマークおよびEUの脱炭素社会実現に向けた重要な一歩であり、炭素回収・貯留(CCS)インフラの中核拠点としての地位を確立する。