「海水から航空燃料」開発に1.9億円 SeaO2とオランダの大学、次世代脱炭素プロジェクト始動

村山 大翔

村山 大翔

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オランダの炭素除去(CDR)企業、SeaO2(シーオーツー)は、デルフト工科大学(TU Delft)、トゥエンテ大学、NERAと協力し、「海水からつくる次世代航空燃料」の開発を始める。オランダ政府の助成金プログラムから約164万ユーロ(約1億9,000万円)の資金を獲得した。

この新プロジェクトでは、海水と再生可能エネルギー、そして回収した二酸化炭素(CO2)を使い、バイオマスや化石燃料に頼らない「e-SAF(持続可能な航空燃料)」をつくることが目標だ。分散型の生産モデルで、地域ごとに柔軟に製造できる仕組みになる。

SeaO2は、海水から直接CO2を取り出す「Direct Ocean Capture(DOC)」技術の開発企業。電気の力で海水からCO2だけを抜き取り、CO2を除いた水は海に戻す。このサイクルで、大気中のCO2も自然と吸収される。

今回のプロジェクトは、次の4段階で進められる。

まず、第1段階で「どのような技術をどこで使うか」を具体的に決める。

次に、第2段階では、SeaO2の技術を改良し、海水から効率よくCO2と超純水(主に水素製造に使う)を取り出す方法を開発する。

第3段階では、取り出したCO2をアルコールやオレフィンといった航空燃料の原料に変える。革新的な装置と触媒を使い、生産工程の最適化を目指す。

最後に、第4段階で経済性を評価する。従来のジェット燃料と比べてコストや実用化の可能性を検討する。

SeaO2と大学チームは、「地域ごとに航空燃料をつくれる新しい仕組みを実現したい」とコメントしている。

参考:https://www.seao2.com/blog/seao-and-partners-receive-164m-to-develop-decentralized-e-safs-