グリーン水素で年間1,000トンのCO2削減を目指す 住友ゴムが挑む“タイヤ×水素”の脱炭素

村山 大翔

村山 大翔

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住友ゴム工業株式会社は、次世代エネルギーとして注目される水素を活用した脱炭素施策として、白河工場(福島県)における「やまなしモデルP2G(Power to Gas)」システムの本格運用を2025年4月から開始しました。これにより、タイヤ製造のプロセスにおいてグリーン水素を活用し、輸送を含むスコープ1〜3のCO2排出量を年間約1,000トン削減する見込みです。

自社製造現場に水素活用を導入

  1. 再エネ×P2Gの組み合わせで安定供給
    太陽光由来の電力で製造した水素を利用することで、脱炭素とエネルギー安定性を両立。
  2. 製造工程への“部分適用”から始める
    住友ゴムは加硫工程から段階的に水素を活用。すぐに全工程での適用が難しくても、スモールスタートが可能。
  3. 地域連携・助成活用で導入障壁を低減
    山梨県やNEDOと協働することで、P2G導入コストを抑制。自治体との連携は水素導入のカギに。

水素の地産地消を実現する未来型エネルギー

「やまなしモデルP2G」は、太陽光などの再エネ電力を使って水を電気分解し、環境負荷の少ない“グリーン水素”を製造するシステムです。安定的な水素供給が可能で、工場単位でのカーボンフリー化に貢献します。

住友ゴムは2021年から福島県・NEDOと共同で水素活用の実証を行っており、すでに水素+太陽光で製造したカーボンニュートラルなタイヤを国内で初めて量産した実績も持ちます。

白河工場をモデルケースとし、今後は中部圏を含む他工場への展開を計画。また、2025年3月には中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議とも基本合意を締結し、水素インフラの地域展開も見据えています。と

住友ゴムの「はずむ未来チャレンジ2050」は、単なるスローガンにとどまりません。水素活用に本気で挑むその姿勢は、製造業における脱炭素の新たなスタンダードを提示しています。

参照:https://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2025/sri/2025_30.html