東京都は3月25日、都内の中小企業などがカーボンクレジットを簡易に取引できる独自のシステム「東京都カーボンクレジットマーケット」の運用を開始した。再エネ導入や省エネ設備による排出削減とあわせて、クレジットの活用を促進することで、ゼロエミッション東京の実現を目指す。
このマーケットは、中小企業が国内外のカーボンクレジットをより手軽に取得・活用できるよう設計されており、取扱い対象はJ-クレジットと海外のボランタリークレジット。森林保護、再エネ発電、省エネ機器導入といったプロジェクト由来のクレジットで、排出量のオフセットが可能となる。
特徴の一つは、クレジットの認証機関ごとに口座を開設する必要がない点。取引はシステム上で完結し、購入や利用の操作も簡易に行える。さらに、ブロックチェーン技術を活用することで、クレジットをトークン化。取引履歴の暗号化によって不正や改ざんを防止し、透明性の高い運用が可能となっている。
トークン化されたクレジットは二次流通も可能で、他者への再販売や再利用にも対応。これにより、カーボンクレジットの市場価値と流動性の向上が期待される。また、一部のクレジットではオフセット証明書も発行され、可視化された形で環境貢献の証明が得られる。
東京都は、こうした仕組みを通じて中小企業の脱炭素化を加速させるとともに、自発的な排出削減への参加を広げたい考え。今後も、自治体としての政策支援と民間の行動変容を組み合わせ、都市全体のカーボンニュートラルに向けた取り組みを進めていく方針だ。
引用:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/03/2025032110