中国電力 「森林由来J-クレジット」で広島フェスのCO2排出 地域密着型カーボンオフセットの初活用

村山 大翔

村山 大翔

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中国電力は10月9日、同社が保有する社有林から創出した森林由来のJ-クレジットを、広島市で開催される複合型イベント「HIROSHIMA CONTI-NeW FeS 2025」に提供し、会場運営や来場者移動で発生するCO2排出量をオフセットすると発表した。対象量は47トンで、同社が自社創出クレジットを地域イベントに活用するのは初となる。

中国電力は、J-クレジット制度に基づき自社が創出した森林由来クレジットの一部を、「HIROSHIMA CONTI-NeW FeS 2025」実行委員会に譲渡した。これにより、イベント会場の電力使用や参加者の移動に伴うCO2排出を、同社社有林の維持管理で吸収したCO2量によってオフセットする。

オフセット対象となる排出量は約47トンで、イベント期間中(10月11〜13日)に広島グリーンアリーナやゲートパーク広島などで発生する電力消費分や交通起因分を含む。同社によると、森林吸収クレジットを地域イベントで活用する取り組みは今回が初めてであり、今後も地域の脱炭素活動に対してクレジットを積極的に提供する方針だという。

J-クレジット制度は、再生可能エネルギー導入や森林管理によるCO2削減・吸収量を国が「クレジット」として認証し、企業間で売買できる仕組みである。中国電力は社有林を活用したカーボンクレジット創出を進めており、2025年9月に森林由来クレジットの認証を取得していた。

同イベントは、被爆から80年の節目を迎える広島の創造性と革新性をテーマに、音楽ライブやカンファレンス、グルメ企画などを融合させた複合フェスティバルである。地域学生や企業も多数参加し、持続可能な都市の未来像を共有する場として位置づけられている。

中国電力は「地域とともにカーボンニュートラルに挑戦し、持続可能な広島の発展に貢献していく」としており、今後はイベントや自治体との連携を通じ、地域単位でのオフセット事例を広げる考えを示した。

参考:https://www.energia.co.jp/2025/2025/16139.html