「CCP承認」で森林再生型カーボンクレジットに追い風 米ACRの植林手法、ICVCMが品質認定

村山 大翔

村山 大翔

「「CCP承認」で森林再生型カーボンクレジットに追い風 米ACRの植林手法、ICVCMが品質認定」のアイキャッチ画像

国際的なカーボンクレジット市場の監督組織ICVCMは17日、米国のACRが運用する「劣化地における植林・再植林・再植生(ARR)」のクレジット発行手法を「高品質」と認定したと発表した。これは、ICVCMが定めるコア・カーボン・プリンシプル(CCP)に適合するもので、森林再生型プロジェクトとしては2件目の承認となる。

今回認められたのは「自然林の造成・再生」に限定した場合で、ACRが発行してきた7,792,791t-CO2分のカーボンクレジットにCCPラベルが付与された。これには、過去に償却済みのカーボンクレジットも含まれる。

ACRのARR手法は、劣化した土地に在来種の木を植え、CO2を吸収しながら生態系も回復させる仕組み。これにより、持続可能な森林管理と気候変動対策の両立を目指す。プロジェクトごとに第三者の検証を受け、カーボンクレジットが発行される。

ICVCMのアネット・ナザレス議長は「ARRは森林を再生し、炭素を大気から取り除く大事な手段だ。今回の承認で、より多くの資金が高品質なプロジェクトに流れることを期待している」と述べた。

世界資源研究所(WRI)によると、2001年から2024年の間に、約5億1,500万ヘクタールの森林が失われた。そのうち3分の1以上は回復が難しいとされる。こうした現状から、ARRは「失われた森林の再生」という役割を担っている。

現在、ICVCMはさらに5つのARR手法を審査中で、数カ月以内に結果が出る見込みだ。ACRも引き続き、他の分野でのCCP承認を目指している。

参考:https://icvcm.org/integrity-council-approves-second-afforestation-reforestation-and-revegetation-methodology/