「2026年に炭素税スタート」 コンゴ民主共和国、鉱業など高排出産業に課税へ

村山 大翔

村山 大翔

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アフリカのコンゴ民主共和国は、2026年から鉱業やエネルギーなどの産業活動に対して炭素税を導入する方針を正式に決定した。これは、温室効果ガス(GHG)排出量の多い産業に課税することで、排出削減を促すことを目的としている。

炭素税の検討は2023年に始まり、同年にはパリ協定に沿った新たな気候法(政令法第23/007号)が制定された。現在、政府は具体的な制度設計を進めており、鉱業業界の関係者も「2026年に導入されることが確実になり、排出対策を本格化する必要がある」と認識している。

政府は炭素税の導入と同時に、「カーボン市場規制庁」を設置し、排出量を測定・報告・検証する「MRV制度」も強化する方針だ。これにより、森林減少を防ぐREDD+(レッドプラス)事業の信頼性が高まり、国内のカーボンクレジット市場の整備が進むと期待されている。

国際林業研究機関CIFOR-ICRAFによると、炭素税による収入は、森林保全活動などの気候対策に使われる予定だ。また、環境NGO「Graine de vie」は、「コンゴが国際的なカーボン市場で存在感を高めるチャンスになる」としている。

世界第2位の熱帯林を抱えるコンゴは、「森林保護」と「産業の脱炭素化」を気候戦略の柱に据えている。今回の炭素税導入は、世界の脱炭素の流れに合致する政策として注目されている。

税率や取引制度の詳細は今後策定されるが、政府は「2025年中に実施ルールを公表する」としている。