石川県加賀市で早成桐の植樹を実施 カーボンクレジット創出で地域の循環型脱炭素モデル

村山 大翔

村山 大翔

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マルヰは9月26日、同市四十九院町の休耕田で「早成桐(そうせいきり)」の植樹を実施した。高いCO2吸収能力を持つ早成桐を活用し、地域脱炭素と農業課題の解決を同時に進める取り組みだ。将来的には桐の成長に応じたカーボンクレジットを創出し、地域内での売買を通じて循環型の脱炭素モデルを確立する方針である。

今回の事業は、高齢化や担い手不足により拡大する耕作放棄地問題に対応しつつ、地球温暖化対策を強化する狙いがある。マルヰは従来、プロパンガス販売などのエネルギー事業を展開してきたが、新たな環境経営の柱として森林吸収源の活用に踏み出した。

早成桐は7〜10年で建材や家具として利用できる大きさに成長する特性を持つ。杉の約3倍、ヒノキの約1.5倍のCO2を吸収するとされ、木材として伐採後も切り株から再生するため、長期的に炭素固定を継続できる点が注目されている。

小新社長は「休耕田を再生しながら、地域とともに脱炭素の成果を共有できる仕組みをつくりたい」と述べた。今後は継続的に植樹面積を拡大し、カーボンクレジットを地元企業や自治体に提供するほか、成長過程を地域住民に公開することで環境意識の醸成を図る。

同社は今回の取り組みを「地域に根ざした脱炭素化のモデルケース」と位置付けており、今後の展開次第では地方自治体や農業団体との連携によるスキーム拡大も見込まれる。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000043354.html