炭素削減・除去事業を手がけるインバート(Invert)は23日、英国の環境金融専門誌「エンバイロメンタル・ファイナンス(Environmental Finance)」が主催する2025年自発的炭素市場ランキング・アワードにおいて、「森林・土地利用部門の最優秀プロジェクト開発者」に選出されたと発表した。森林保全や土地利用を通じた自然由来の炭素除去(Nature-Based Solutions, NBS)の推進が評価された形だ。
今回の受賞は、同社が展開する森林・土地利用プロジェクトの質の高さを裏付けるものとなった。インバートは、先進的な測定・報告・検証(MRV)システムを導入し、地域住民との協働や生態系保護を重視した取り組みを推進している。これにより、発行されるカーボンクレジットは信頼性が高く、投資家や企業にとって脱炭素戦略やESG対応に活用しやすい形となっている。
インバートのアンドレ・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は「この受賞は、我々のチームが一貫して高品質かつ検証済みの自然由来プロジェクトを追求してきた努力の証だ。森林プロジェクトは世界的な気候対策の柱であり、今後も拡大に注力していく」と述べた。
同社の自然由来プロジェクトは、これまでに26万ヘクタール以上の森林を保護し、事業期間全体で累計4,000万トン超のCO2排出削減・除去効果を見込む。これらのプロジェクトは、炭素隔離と同時に地域経済の強化や生物多様性の保全にも貢献している。
インバートはカナダを拠点とする認証Bコーポレーションで、カーボンプロジェクトの組成・資金調達や高信頼性カーボンクレジットの調達を通じて、企業のネットゼロ目標達成を支援している。今回の受賞により、国際的なボランタリーカーボンクレジット市場における存在感を一段と高めた。