AtmosClear、CO2輸送・貯留でExxonMobilを選定 「Microsoftへ1,500万トン規模のカーボンクレジット供給」に道筋

村山 大翔

村山 大翔

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米ルイジアナ州バトンルージュ港で炭素除去(CDR)事業を進めるアトモスクリア(AtmosClear BR, LLC)は9月22日、米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)とCO2の輸送・貯留契約を結んだと発表した。エクソンモービルが保有する炭素回収・貯留(CCS)システムを用い、同港で建設予定のバイオエネルギー炭素回収・貯留(BECCS)施設から年間68万トンのバイオ起源CO2を永続的に貯留する。

このBECCS施設はサトウキビ搾りかすや森林資源を活用して発電し、発生するCO2を回収する仕組みで、将来的には回収量の拡大も視野に入れる。アトモスクリアは今年3月、米マイクロソフトと1,500万トン近いカーボンクレジットを15年間にわたり供給する契約を締結しており、今回の合意はその履行に向けた重要な一歩となる。

フィデリス・ニューエナジー(Fidelis New Energy)の共同創業者兼最高経営責任者ダン・シャピロ氏は「エクソンモービルの既存インフラと安全文化、運用実績は群を抜いている。この提携により、マイクロソフト向けに高信頼のカーボンクレジットを提供できる」と述べた。

一方、エクソンモービルの低炭素事業部門トップ、バリー・イングル氏は「ルイジアナ州はエネルギーと機会が交わる場所だ。本契約は地域への投資と雇用を生み、当社の世界最大規模のCCSシステム拡大につながる」と強調した。

このBECCSプロジェクトは2026年に着工、2029年の稼働を予定しており、総額8億ドル(約1,220億円)超の投資が地域にもたらされる見込みだ。完成後はルイジアナ州をCDRの拠点とし、米国市場におけるカーボンクレジット供給網の拡大が期待される。

参考:https://www.prnewswire.com/news-releases/atmosclear-selects-exxonmobil-for-co-transportation-and-storage-302562371.html

参考:https://fidelisinfra.com/project/atmosclear/#