「最大80%のCO2削減」 Eco Materialが米オレゴン州で低炭素セメント工場を新設

村山 大翔

村山 大翔

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7月29日、米エコ・マテリアル・テクノロジーズ(Eco Material Technologies)は、オレゴン州レイクビューに低炭素型セメントの新工場を開設した。年30万トンを生産し、従来のセメントの代替として使うことで、コンクリート製造時のCO2排出量を最大80%削減できる。同社にとって太平洋岸北西部では初の拠点となる。

エコ・マテリアル・テクノロジーズは、建設分野の脱炭素化を進める一環として、米オレゴン州レイクビューに新たなセメント代替材の製造工場を開業した。この工場では、年間で最大30万トンの「補助セメント材料(SCM)」と呼ばれる低炭素建材を生産する。

SCMは、従来のポルトランドセメントの25〜100%を置き換えることが可能であり、これによりコンクリート全体のCO2排出量の多くを占めるセメント由来の排出を最大80%まで削減できる。

同社のグラント・クァーシャCEOは、「インフラ整備と環境対策の両立を目指し、経済的にも競争力のある製品を地域に供給していく」とコメントした。

この施設は地元経済にも貢献する。製造や輸送部門などで約30の新たな雇用が生まれ、出荷の約75%は既存の鉄道網を活用して行われる。これにより、長距離トラック輸送を減らし、さらなる環境負荷の低減が期待されている。

レイク郡のマーク・アルバートソン郡議は「この工場は、地域の将来への投資であり、経済と環境の両面で大きな意味を持つ」と語った。

エコ・マテリアル・テクノロジーズは、これに先立ちニューヨーク市向けに年間5万トンのフライアッシュ(石炭灰)を供給する専用ターミナルを開設している。今回のオレゴン工場により、同社は北米の40都市圏に、年間1,000万トンを超える低炭素型建材を安定供給する体制を整えた。

SCMは、カーボンクレジット市場や公共調達のグリーン化においても注目を集めており、今後の持続可能な建設の基盤となる素材として期待されている。

参考:https://ecomaterial.com/news/