バーン、コンゴのカーボンクレジット事業でMSCIから最高評価「A」を獲得

村山 大翔

村山 大翔

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アフリカのクリーン調理器具メーカーのバーン(BURN)が、コンゴ民主共和国で展開するカーボンクレジット事業に対し、国際的なESG評価機関MSCIから最高格付け「A」を獲得した。この評価は、事業の信頼性や環境への貢献度を示す重要な指標であり、気候変動対策としての価値が国際的に認められた形だ。

バーンは2017年からコンゴで活動を開始し、これまでに16万台以上の省エネ調理器具を配布。これにより約84万人の暮らしを改善し、120万トンの木材消費と2.8百万トンのCO2排出を削減した。家庭での燃料費の節約額は1億1,200万ドル(約175億円)にのぼる。

MSCIが評価したポイントは、「プロジェクトが本当に追加的な効果を生むか」「効果の測定は正確か」「炭素削減の効果が長く続くか」など6つの項目。バーンの事業はすべてにおいて高く評価された。

バーンのカーボンクレジットは、Gold Standardの基準に基づき発行され、キッチンでの実地検証など厳しいモニタリング手法を取り入れている。さらに、世界のボランタリーカーボンクレジット市場の信頼性向上を目指すICVCMの認定基準であるCCPにも適合している。

同社の商業責任者クリス・マッキニー氏は、「私たちは単にカーボンクレジットを発行しているのではなく、人々の命と森林を守るプロジェクトをつくっている」と語った。また、「カーボンクレジットの前払いによって、調理器具の価格を60~100%下げ、すべての家庭に届けることが可能になる」と強調した。

コンゴ以外にも、ソマリアやケニア、コートジボワールで展開中のBURNの事業は、MSCIから「BBB」や「BB」などの高評価を受けており、地域を超えて高い信頼性があると認められている。

バーンはアフリカ全体で約540万台の調理器具を配布し、2,800万人以上の生活を支えてきた。これにより、燃料費約28億ドル(約4,200億円)を削減し、約3,000万トンの木材保護、室内空気汚染の最大100%削減を実現している。

今後、同社はコンゴ国内で600万世帯への普及を目指し、カーボンクレジットを活用した持続可能なビジネスモデルの構築を進める方針だ。

参考:https://www.burnstoves.com/media/newsroom/newsroom-7