クボタ、クレアトゥラ、東京ガスの3社は、フィリピンにおける水田からのメタン排出を削減するための共同実証事業に取り組んでいます。このプロジェクトは、Alternate Wetting and Drying（AWD）という水管理手法を用いて、水田におけるメタン排出量を減少させることを目的としています。AWDは、水稲栽培期間中に水田から水を一時的に抜き、土壌を乾燥させた後に再度湛水することで、メタン生成菌の活動を抑制し、メタン排出量を低減する手法です。
フィリピンのパンガシナン州に位置する約1,300haの水田で2023年9月から2024年5月にかけて実施されるこの実証事業は、約600軒の農家が参加します。この取り組みは、農家への種子選定方法や土壌管理方法、AWD実施方法を含む農業高度化トレーニングを実施し、カーボンクレジット創出に必要なデータ取得を目指します。
このプロジェクトは、水田由来のメタン排出削減だけでなく、農家の収入向上や水使用量の削減にも寄与し、フィリピンにおける持続可能な農業の普及とASEAN地域の農業分野における温室効果ガス排出削減に貢献することが期待されています。3社は、この実証事業の成果を基に、高品質なカーボンクレジットの創出とASEAN地域での農業分野における初の民間JCMプロジェクト登録を目指します。
