マラウイ政府「炭素市場フレームワーク」を正式始動 公正配分と国益確保を強調

村山 大翔

村山 大翔

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マラウイ政府は8月22日、首都リロングウェで「国家炭素市場フレームワーク」を正式に発表した。新制度は、カーボンクレジット取引を国際規範に沿って規制し、気候資金を呼び込みつつ地域社会への公正な利益配分を実現することを狙うもので、国内外の投資促進と持続可能な開発を両立させる政策と位置付けられている。

式典で演説した天然資源・気候変動相のオーウェン・チョマニカ氏は「本フレームワークは投資家を脅かすものではなく、協力を強化し炭素取引を正規化するものだ」と強調した。そのうえで、既存のすべての炭素プロジェクトに対し、90日以内に「マラウイ炭素登録システム」へ登録を義務付ける規制を発表した。未登録案件は今後、炭素市場での適格性を失う可能性がある。

環境局(EAD)のユスフ・ムクングラ筆頭次官は、EADが国家指定当局として単一の窓口を担い、すべての炭素取引プロジェクトを承認すると説明した。さらに「この制度は、地域で最も信頼性の高い炭素市場を形成し、排出削減と国家開発を支える投資を呼び込むことを目指している」と述べた。

市民社会ネットワーク「CISONECC」のジュリアス・ンゴマ調整官は「これまでの炭素取引は一部の個人だけが恩恵を受けてきたが、新制度により地域社会や政府も公正に利益を享受できる」と期待を寄せた。同氏は「参加するコミュニティが収益を等しく分配されることが不可欠だ」と強調し、制度改善の余地にも言及した。

副局長のエバンズ・ニジェワ氏も「炭素市場は資源の切り売りではなく、公平性と国益保護に基づくパートナーシップだ」と述べ、制度の理念を説明した。

今回の枠組みは、京都議定書やパリ協定と整合させ、炭素市場の透明性を確保する設計となっている。今後、国内の炭素削減事業は国際市場での取引機会を得る一方、収益は気候変動への適応策や地域のレジリエンス強化に充てられる見通しだ。

政府は今後3か月以内に既存プロジェクトの登録状況を精査し、年内にも市場運用の本格化を目指す。